青森北国型集合住宅国際設計競技
平和公園通りからパンチングメタルで覆われた木立をぬけると、円く切取られた空間が現れる。そこは、バザーなどイベントのできる開かれた"フォーラム"である。南側のスロープで2Fレベルにアクセスすると芝生のデッキで戯れる子どもたちや住民の憩う光景が見られる。その下には、外とはガラスで仕切られたユニバーサルスペースが広がる。そこは、カフェやレストラン、コニュミュティセンターや児童
館が並び、間仕切りのない一体空間になっている。保育園やディケアセンターも空間を共有しており、自然な交流がもてる。このガラスで覆われたパッサージュとホワイエのおかげで、冬は冷たい外気から守
られ、住戸からは屋内空間のみで各施設へアクセスできる。夏はガラスを開放することによって風や自然を肌で感じ、中心市街でありながらも緑に包まれた環境で豊かに過ごせる。

ここでは、少子高齢化社会のなかで家族を超えた新しい共同性をめざしており、共に支え合い共に生きる"コレクティブ"がテーマとなる。単身の高齢者には、共同に生活のできるコレクティブハウスが準備され、共に支え合うことで自立できる。必要に応じてヘルパーステーションとディケアセンターのサービスも受けられるので安心と継続性のある自立した生活が営める。また、家族の住まうエリアにもコモンリビングが各所にあり、そこを通して近隣の付合いを親密なものにする、いわゆる、家族をつなぐコレクティブハウスだ。さらに大きな住戸全体は、コミュニティセンターで交流することができる。そして、津軽海峡を望む最上階は、"SOHO"を持つメゾネットタイプの住宅で、新しい仕事のスタイルを持つ人々に階下の生活空間と切り離された仕事のしやすい環境を提供している。

四季の変化を感じながら、多様な人々はコレクティブな空間環境によって相互関係を持ち、安心にまた快適に生活を繰り広げられる。
画像 ( )
2001/05/11 01:30


HOME

羽田設計事務所